蘇兄弟の仲の良さは、「夜雨対床」という成語によっても知られている。
二人が生まれて初めて離れ離れになった時、兄は去りゆく弟の背中をいつまでも見送り続けた。

  寒灯に相対せる疇昔を記す、夜雨何れの時か蕭瑟たるを聴かん。

(夜寒の灯のもとで語り合ったあの日のことを思い出す。ベッドを並べて しめやかな夜の雨の音を聞こうとの約束は、いつ実現するだろうか。)

蘇軾と蘇轍は、互いにかけがえのない存在として、終生変わらぬ愛情を寄せ合ったのである。